サーバーまたはワークステーションをアップグレードする場合に、最初に知っておくべきこと

サーバーまたはワークステーションのメモリを初めて購入または取り付けする際は、通常のデスクトップやノートパソコンの場合以上に考慮すべき事柄が多数あります。これらの要因はCrucial® System Scannerなどの検出ツールでは発見されないため、通常のパソコンの場合よりもシステム要件が厳しいサーバーやワークステーションをアップグレードする場合は、コンポーネントの購入に際して該当事項に留意し、注意事項を把握しておくことが重要です。ユーザーから報告されたものの中で、意識していなかったために起きた一般的な問題の概要は下記のとおりです。

ECCと非ECC

サーバーやワークステーションには、多くの場合、ミッションクリティカルなシステムの安定性向上のため、エラーをチェックしてプログラムのクラッシュを防ぐ追加機能を備えたメモリが組み込まれています。このメモリはECC(エラー検出訂正)メモリと呼ばれ、データの整合性を検査して干渉によるエラーが生じていないかを確認し、データを処理する際に1ビットエラーを修正する機能を備えています。非ECCメモリも一般的に極めて安定していますが、ゼロダウンタイムが求められるシステムではECCメモリを選んだ方が安心です。多くの場合、ユーザーから報告される問題はECCメモリと非ECCメモリの混在によって生じています。たとえば、低コストなオプションとして出荷時に非ECCメモリが搭載された既製システムに後からECCメモリを増設した場合などがあります。これでも稀に動作することがありますが、多くの場合はPOSTが完了せず、OSを起動できません。別の問題の可能性として、マザーボードまたはプロセッサーがECCメモリをサポートしていない場合があります。この場合も動作することはあるかもしれませんが、追加機能が無効になったり、システムの起動が完了できなくなったりします。ECCメモリの混在または使用に関する制限事項を確認する最適な方法は、マザーボードおよびプロセッサーの仕様を確かめること、およびハードウェアまたはメンテナンスに関する総合的なマニュアルで出荷時設定を確かめることです。

レジスタードとアンバッファード

レジスタードメモリ(RDIMM)は、アンバッファードメモリ(UDIMM)と異なり、システムのメモリコントローラとモジュールのDRAM間のデータを1クロックサイクルの間バッファするレジスタをモジュールに備えています。これにより、関連するコンポーネントの電気負荷が低減し、わずかなパフォーマンス低下と引き換えに、一般的なアンバッファードメモリよりはるかに大きい合計メモリ容量に対応することが可能になります。ほとんどのレジスタードメモリはECCにも対応し、そのあらゆる利点を備えています。ECCメモリ、CPU、マザーボードの制限によりレジスタードメモリがシステムに完全に対応できないことがありますが、ほとんどの場合、レジスタードコンポーネントが存在すると、他のコンポーネントが完全に対応していなければシステムは起動しません。また、レジスタードとアンバッファードの両方のタイプのメモリに対応している環境でも、レジスタードメモリとアンバッファードメモリを混在させることはできません。

ランク

メモリモジュールにはシングルランク、デュアルランク、クアッドランク、オクタルランクがあります。ランクの制限は、標準的なシステムには通常影響しませんが、特にレジスタードの部分を処理する際に多少複雑になる場合があります。一般に、クアッドランクまたはオクタルランクではシステムのメモリスロットに取り付ける方法と数量に関して個別の要件があります。高ランクのモジュールでは取り付け可能な合計モジュール数が制限される場合があります。たとえば、クアッドランクのメモリを取り付ける場合、使用できるのは6個のメモリスロットのうち4個のみであり、クアッドランクとシングルランクまたはデュアルランクのメモリを混在させる場合はコンピューターの各スロットを使用せざるを得ません。ランクが高くなるとメモリ帯域幅にも影響し、高ランクのメモリが存在するとメモリの実行速度が低下することがあります。シングルまたはデュアルランクのメモリ容量を必要なだけ使用できない場合、または低ランクのメモリが合計メモリ容量の大きいシステムに対応していない場合に、一部のシステムでより多くのメモリを使用するためにこのトレードオフが必要になることがあります。以上の制限に該当する場合を除き、メモリのランク間に機能的な違いはありません。ランクの詳細については、こちらをご覧ください。

負荷軽減DIMM(LRDIMM)

LRDIMMはレジスタードメモリの進化したものであり、電気負荷をさらに低減する独自のメモリチップバッファを備えています。この進化の結果、ランクの問題が軽減または排除され、合計メモリが大容量になってもパフォーマンスが低下することがなくなり(または少なくともパフォーマンスへの影響が軽減され)、あるいは対応コンピューターのすべてのスロットが埋まることを回避する必要がなくなります。UDIMMとRDIMMの関係と同様、LRDIMMを他の規格と共存させるとシステムが正しく起動しません。

装着されたCPU

サーバーメモリの互換性は装着されたCPUのモデルと数に影響を受ける可能性があります。エントリーレベルのシステムには、ECCメモリに対応しないCPUやレジスタードコンポーネントやロードリデューストコンポーネントに対応しないCPUが出荷時に装着されている場合いがあります。さらに特定のCPUは、場合によってより高いメモリ容量をサポートする必要があります。ハイエンドサーバーは複数のCPUソケットを装備している場合があり、すべてのメモリスロットをシステムで使用するには、すべてのソケットにCPUを装着しなければならないことがあります。競合を避けるためには完全な互換性と依存性の詳細について、サーバー/ワークステーションの説明書を参照し、CPUのメモリサポート状況を確認してください。

物理的スペース

サーバーやワークステーションのメモリ、特にRDIMMとLRDIMMは、多くの場合、要件が比較的低いコンピューターと比べて物理的に大きくなります。モジュールにはんだ付けするコンポーネントが増えるのに加え、コンポーネントが増えたことによる発熱の増加を減殺するため、たいていはヒートシンクが接続されます。サーバーやワークステーションでは、RAM用のスロットのスペースの設け方を決める際には、一般的に基盤またはメモリライザーが考慮されますが、システムの高さ要件にも注意が必要です。CPUファンなどの内部コンポーネントが大きくてRAMモジュールの高さが制限される場合、他のコンポーネントと一緒に取り付けるにはVery Low Profile(VLP)モジュールの購入が必要になる場合があります。ロープロファイルにより筐体のエアフローと冷却を多少向上させることができるという理由からVLPメモリを選ぶユーザーもいます。

BIOSの更新

実行するBIOS(基本入出力システム)が古ければ、どのようなコンピューターでも問題が生じる可能性がありますが、特にサーバーとワークステーションの最適な動作には最新のBIOSを実行する必要があります。RAMコンポーネントに新しいテクノロジーが取り入れられることに伴い、実行する合計メモリの大容量化に対応するためにBIOSの更新の必要性が高まる傾向があります。

マイクロンでは、Crucial.comと同様の互換性ツールを備えたリソース、orderingmemory.comも提供しています。また、マイクロンのエンタープライズグレードSSDの詳細、特定の構成におけるシステム固有の要件に関する注意事項、サーバーコンフィギュレータと呼ばれる強化された互換性ツールなど、エンタープライズ固有の機能もいくつか追加されています。このツールにユーザーがプラットフォームとCPUの仕様を入力すると、提供された情報に合った希望のメモリ合計量のオプションが提示されます。

以上の事項についてご不明な点があれば、マザーボードまたはコンピューターのメーカー、およびCrucialのサポートチームのサポートを受けることができます。ご要望に合った最適なパーツを確実に選ぶため、Crucialへの各種のお問い合わせ方法はこちらでご覧ください。

©2023 Micron Technology, Inc. All rights reserved. 情報、製品および/または仕様は予告なく変更される場合があります。CrucialおよびMicron Technology, Inc.はどちらも、印刷または写真の脱落または誤りについては責任を負いません。マイクロン、マイクロンのロゴ、Crucial、Crucialのロゴは、Micron Technology, Inc.の商標または登録商標です。その他の商標およびサービスマークはすべて、それぞれの所有者の財産です。