一般的なメモリ仕様の概要

コンピューターおよびサーバーに関連する用語や略語には混同されやすいものが多く存在します。システムをアップグレードしようとして、遅いコンピューターに対するフラストレーションが限界に達したら、最後の手段はメモリやストレージに関する技術用語の意味を理解する以外にありません。以下では、知識を深め、最適なアップグレードを探すために役立つ「よくある質問」をご紹介します。

メモリ、RAM、DRAMの区別

この3つの用語は、多くの場合、置き換え可能です。「RAM」はRandom Access Memory(ランダムアクセスメモリ)、「DRAM」はDynamic Random Access Memory(ダイナミックランダムアクセスメモリ)を表します。

メモリのフォームファクタとは?

フォームファクタとは、モジュールの物理形状、あるいは物理寸法のことです。UDIMM(アンバッファードDIMM)は、デスクトップPCで使用するメモリの最も一般的なフォームファクタです。ノートブックPCなどの小型システムで使用するSODIMM(スモールアウトラインDIMM)はピン(モジュール下部の金色の先端)の数が少なく、UDIMMより物理的に短くなっています。サーバーでは用途に応じてフォームファクタ以外のさまざまな規格(RDIMM、LRDIMM、FBDIMM、ECC UDIMM、ECC SODIMM、NVDIMMなど)も用います。

「全容量」とは?

全容量とは、モジュールまたはモジュールキットが提供する合計メモリをギガバイト(GB)単位で表したものです。RAMのGBが大きいほど、実行速度が速くなり、使用できるアクティブデータが増えるため、好ましいといえます。

メモリの速度とは?

一定の時間内にメモリからCPUに転送可能なデータ量です。速度はメガトランスファー毎秒(MT/秒)単位で測定され、一般に速いほど良いとされます。

電圧が重要な理由とは?

電圧とは、モジュールが消費する電力量です。電圧が高いほど、システムが使用するエネルギー量が多くなり、システム温度の上昇にもつながるので、システムの状態に悪影響を及ぼす場合があります。

帯域幅とは?

モジュールが一度に処理できる速度と合計データ量のことです。帯域幅は高いほど良いとされます。

レイテンシーとは?

コマンド(アクション)の入力から実行までの遅延時間のことです。一般に、レイテンシーが小さいほど良いとされます。レイテンシーは3つの数値で表されます。たとえば、DDR4モジュールのレイテンシーが16-17-17の場合、CASレイテンシーのタイミングが16、tRCDのタイミングが17、tRPのタイミングが17であることを意味します。CASレイテンシー等級はレイテンシーの最も一般的な等級ですが、ナノ秒単位で測定するのが最適です。これを真のレイテンシーと呼びます。

バッファードメモリとアンバッファードメモリの違いは?

バッファードメモリはレジスタードメモリとも呼ばれ、サーバーアプリケーション向けに設計されています。すなわち、モジュールとデータの間に電気負荷を軽減するための安全装置(仲介手段)を備え、メモリに送信される情報が正しいことを確認することによってデータ整合性を確保します。

メモリテクノロジーの重要性とその意味は?

モジュールのメモリテクノロジーは、システムのメモリテクノロジーと適合させて互換性を確保する必要があります。メモリには数世代のテクノロジー (DDR、DDR2、DDR3、DDR4など)があります。また、「メモリのアップグレード」とは、通常、システムにGB単位のRAMを増設することを指します。DDR3システムにDDR4メモリを増設する場合は、メモリテクノロジー間でモジュールが物理的に異なり、メモリスロットが適合しないため、「メモリのアップグレード」に該当しません。Crucial® System ScannerまたはCrucial® Advisor™ツールを使用すれば、互換性をわずか数クリックで確認できます。

コンポーネントの構成がメモリに与える影響は?

これはメモリランクと呼ばれ、チップ(モジュール上の黒いコンポーネント)によるデータ処理のしくみを示します。コンポーネント構成の数字が大きいほどモジュールが処理できるデータ量が多くなり、より強度のワークロードに対応できますが、システムによっては対応するランク数が制限されている場合があります。

エラー訂正コード(ECC)の役割とは?

ECCはデータの整合性を強化する役割を果たし、サーバーやワークステーションの一部のアプリケーションに好適です。多くの場合、デスクトップPCやノートブックPCのメモリモジュールにはECCは不要です。

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