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Crucial製メモリ製造工程について

メモリがどのように製造されているのか疑問に思われたことはおありですか?高品質のメモリ製品を確実にお客様にお届けするために当社が導入している厳しい製造工程をご紹介します。

パートI:シリコンから完成したウェハへ

メモリチップはさまざまなトランジスタ、レジスタ、コンデンサなど、各要素がすべてのチップの上に形成される集積回路です。これらの集積回路は通常、砂から抽出されたシリコンとして始まります。シリコンをメモリチップに変える過程は、多くのエンジニア、冶金家、化学者、物理学者によって支えられており、大変な手間と細部へのこだわりを必要とするものです。

メモリはファブと呼ばれる、たくさんのクリーンルーム環境を持つ広大な施設で生産されます。回路はほんの小さな塵があっても損傷を受ける可能性があり、半導体メモリチップはクリーンルームで製造されます。米国、ボイジーのMicronの主要施設は180万平方フィートを超える敷地にあり、クラス1とクラス10のクリーンルームを有します。クラス1のクリーンルームの空気は、1立方フィート中にわずか1粒のホコリが存在する純度です。ちなみに清潔で近代的な病院でも1立方フィートあたり10,000個のホコリが存在します。クリーンルームの中の空気は絶え間なく濾過され、循環されます。生産チームのメンバーは、空気中に微粒子がない状態を維持するための特別な帽子、ガウン、マスクを着用します。

ステップ1:シリコンインゴット

シリコンから集積回路への最初の工程は、純粋な単結晶柱体、インゴットの作成です。シリコン製で、直径が6~8インチあります。形成されたシリコンインゴットから、直径が6または12インチ、厚さはわずか0.025インチ未満のウェハが研磨され切り出されます。その後、チップの回路素子(トランジスタ、レジスタ、コンデンサ)がシリコンウェハの上に層状に構築されます。回路はシュミレーションを使用しながら開発、テストされます。コンピューターシステム上の微調整が完了してから実際の製造が始まります。設計が完成すると、回路の各層に1つずつガラスフォトマスクが作られます。フォトマスクは、規定のパターンで光が通り抜けるようにするための穴もしくは透明部を持つ不透明なプレートです。これらのマスクは製造の次の工程、フォトリソグラフィに不可欠です。

ステップ2:フォトリソグラフィ

無菌クリーンルームの環境で、ウェハは多段階のフォトリソグラフィ処理をくぐります。回路が必要とするマスクごとに1回行われます。マスクは(a)集積回路を構成するトランジスタ、コンデンサ、レジスタ、コネクタを部品ごとに定めるため、(b)デバイスを構成する層ごとに回路パターンを定めるため、使用されます。

製造プロセスの開始時、ベアシリコンウェハは薄いガラスの層に覆われており、次に窒化物の層があります。ガラスの層は、シリコンウェハを摂氏900度の酸素に1時間以上(必要な層の厚さにより増減)さらすことによって形成されます。ガラス(二酸化ケイ素)はウェハの中のシリコン素材が酸素にさらされて形成されます。高温下ではこの化学反応(酸化)が非常に短時間で起こります。

ステップ3:フォトレジスト

次に、ウェハに均一な厚さでフォトレジストという感光液を塗ります。紫外線光源とウェハの間にマスクを精密に配置することで、ウェハの一部が感光するようにします。マスクの透明部分では光が透過し、フォトレジストにあたります。

紫外線にあたったフォトレジストは化学変化を起こすため、感光した部分のフォトレジストを現像液で取り除き、それ以外の部分をウェハ上に残すことができます。フォトリソグラフィ/レジスト処理を繰り返しながら、回路に必要なマスクを形成します。

ステップ4:エッチング

エッチング工程では、ウェハ面に対し酸を利用する湿式エッチングか、プラズマガスを利用する乾式エッチングを行い、硬化したフォトレジストで覆われていない箇所の窒化物層を除去します。ウェハ上にはマスクの設計どおりの精密な窒化物パターンができあがります。別の化学薬品で硬化フォトレジストを除去(クリーニング)すると、数百個ものメモリチップがエッチング処理の結果、ウェハ上に構成されます。

 

パートII:ウェハの層形成と回路の完成

製造工程のパートIでは、さまざまな回路素子(トランジスタ、レジスタ、コンデンサ)が最初のマスク処理で形成されました。次の工程では、ひとそろいの層を作ることでこれらの要素をつなぎ合わせます。

ステップ5:アルミ層の形成

回路素子どうしの接続を始めるにあたって、ガラス絶縁層(BPSG)をウェハ上に堆積させ、コンタクトマスクで各回路素子の接点(またはコンタクトウィンドウ)を定めます。コンタクトウィンドウのエッチング後、ウェハ全体に対しスパッタリング装置でアルミ薄膜を蒸着させます。このアルミ層に金属マスクを施すと、細い金属のネットワーク(ワイヤ)が形成され、回路が形成されます。

ステップ6:パッシベーション層形成

次に組み立て時の汚染から保護するために、ウェハ全体をガラスとシリコン窒化物の絶縁層で覆います。この保護コーティングはパッシベーション層といいます。最終的なマスクとパッシベーションのエッチングプロセスが続き、ボンディングパッドと呼ばれる端子からパッシベーション素材を除去します。空いたボンディングパッドを使用して、プラスチックパッケージまたはセラミックパッケージで金属ピンとダイが電気でつながるようにすると、集積回路が完成します。

ウェハをダイの組み立てに送る前に、ウェハ上のすべての集積回路をテストします。仕様どおりに機能するチップと規格外のチップに選別し、コンピューターデータファイルに割り当てます。ダイヤモンドののこでウェハを個々のチップに切断します。規格外のチップは破棄され、合格品はこの後組み立てに入ります。この個々のチップをダイと呼びます。

ダイは、リードフレームに取り付けてから封止します。このフレームは細い金のワイヤでチップ上のボンディングパッドと接続されており、これでダイとリードフィンガーの間に電気経路ができあがります。

 

パートIII:ダイの準備とテスト

製造工程のパートIIでは集積回路が形成され、完成品ウェハが切断されて多数のダイができあがりました。次の工程は、ダイを完成したモジュールで使用する準備です。

ステップ7:封止

封止では、リードフレームをモールドプレート上に配置し、加熱処理します。プレスされた溶融プラスチック素材がダイの周りに行き渡り、個々のパッケージができあがります。モールドを開き、リードフレームをモールドから押し出して洗浄します。

ステップ8:電気メッキ

次は、スズ・鉛溶液に浸漬した状態で封止済みのリードフレームを「帯電」させる電気メッキの工程です。ここでは帯電したリードフレームにスズイオンと鉛イオンを吸着させ、均一なメッキ層を堆積させることによって、ダイの導通性を高め、ダイの取り付けに適したきれいな表面を作ります。

ステップ9:脚切り成型

脚切り成型では、リードフレームを脚切り成型装置に設置し、リード線を形成します。この後、チップはフレームから切り離されます。次に個々のチップは取り扱いやすい帯電防止チューブに詰められ、最終テストに向けてテストエリアに運ばれます。

ステップ10:書込テスト

書込テストでは、負荷をかけた状態で各チップの動作をテストします。書込テストはモジュールの信頼性を維持する上で重要な要素です。少し使用しただけで障害が発生する不良モジュールは、どのバッチにもごく少数ながら存在し、強い負荷状態でモジュールをテストすることによって、そのような不良モジュールを除外できます。Micronでは、自社エンジニアが書込テスト専用に開発した業界最先端のAMBYXオーブンを使用して書込テストを行います。書込テストに合格したメモリを検査後に封止すれば、組み立ての準備が整います。

ステップ11:PCBの組み立てと設計

メモリチップができあがった後、それをコンピューターのマザーボードに接続する手だてが必要となります。チップとマザーボードを接続する技術を備えたプリント回路基板(PCB)でこの問題を解決できます。このため、チップはプリント回路基板(PCB)に取り付けられ、完成したメモリモジュールが最終的な製品になります。

PCBは、いくつかの同一の基板で構成されたアレイ、またはシートに組み込まれています。組み立ての後、アレイはモジュールごとに分割されます。板チョコを小さな正方形のかけらに分けるのと同様のしくみです。Micronでは、サイズごとに各アレイに割り当てるPCBの総数を変えることで、一定量の原料から製造できるモジュールの数を最大にしています。

 

パートIV:モジュールの組み立て

製造工程のパートIIIでは、最終的なモジュールの組み立てに向けてダイとPCBが整いました。最終段階では、モジュールの組み立てプロセスについて説明します。

ステップ12:スクリーンプリント

モジュール設計が完成しPCBが作られると、次はメモリモジュールの組み立てです。組み立てでは、精密なはんだ加工でメモリチップをPCBに取り付ける必要があります。この作業はスクリーンプリントから始まります。

スクリーンプリントの工程では、ステンシルを使ってスクリーン状のはんだを完成したPCBに貼り付けます。はんだペーストはチップをPCBに固定する粘着性の物質です。ステンシルを使用することで、はんだペーストがコンポーネント(チップ)を付ける場所にだけ付きます。チップを配置する場所としてPBCの上に印が付いており、それが基準点になるため、接着の位置は簡単に特定できます。

はんだペーストが塗布されると、組み立て用の「ピックアンドプレース」装置が基準点をスキャンし、チップをPCBのどこに配置するのか判断します。ピックアンドプレース装置は、プログラムに従ってどのチップをどこに置くかを識別できるようになっており、チップの位置を正確に把握した上で、チップをフィーダーから選び取り、PCBに配置します。このチップ配置のプロセスが、残りのチップとモジュールのその他のコンポーネントすべてに対し行われます。メモリ製造の全工程のうち、この作業は最も短時間で行われ、チップは完成したPCBにほんの数秒で配置されます。

ステップ13:はんだ付けと接着

次に、組み立てたチップやボードをオーブンに送り、その中を通過させます。熱ではんだペーストが溶けて液体になります。はんだが冷え固まると、メモリチップとPCBの間が完全に接着されます。この工程では、高温の溶融はんだの表面張力により、チップのゆがみを防ぎます。

チップを取り付けたら、アレイをモジュールごとに分割します。Micronのチームメンバーが各モジュールを目視で確認します。さらに、多くのモジュールは自動レントゲン装置でも検査を受け、すべての接点において適切なはんだ付けが完了していることが確認されます。Micronメモリモジュールはすべて、世界的に認められた業界標準であるIPC-A-610の判定基準を満たしています。

ステップ14:組み立て後の品質テスト

Micronではこの後モジュールをテストし、モジュールにタグを付けます。当社は独自の装置を使い、パフォーマンスと機能を自動的にテストします。これにより、オペレーターの配置ミスで不良モジュールが合格品に紛れ込むようなことがないようにします。モジュールによっては、ここでコンピューターが認識し読み込むための識別用の「認識票」がプログラミングされます。

ステップ15:出荷

コンピューターメーカーやお客様に出荷する前に、完成したモジュールから統計的に有意な数のサンプルを無作為抽出し、最後の品質検査を行います。使用が認められたモジュールは、ESD防止機能のあるプラスチックトレイと袋で包装され、出荷準備が進められます。こうして数々の製造工程を経て、メモリはご利用いただける状態になります。厳しいテストを受け、認められたメモリです。